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司法試験に不合格した人が就職してキャリアを歩むためには?

2018年07月13日

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司法試験は、合格率2~3%で推移していたようなかつてほどの超難関ではなくなったものの、法曹志望者にとって、合格するには高い壁であることに変わりはありません。なかなか壁を超えられず、挫折を経験する受験者もいます。司法試験に挑戦していた経歴は、不合格となってしまっても就職にとって有利なのでしょうか。それとも、不利なのでしょうか。
今回は、司法試験にチャレンジしてしまったものの、不合格となってしまった方を対象に、就職してキャリアを歩むためのアドバイスについてお伝えさせていただきます。

司法試験に5回不合格となってしまったら...

弁護士・裁判官・検察官を志望する人は、司法試験に合格し、司法修習を終えなければなりません。司法試験の受験資格を得るためには、法科大学院を修了するか、予備試験に合格することが条件です。
この司法試験は、毎年1回実施されますが、「5年間に5回まで」という受験回数制限があります。5回不合格になっても、もう一度、法科大学院を出るか、予備試験に合格すれば、再び司法試験を受験できるようにはなります。
しかし、それは本来の受験制限を設けた制度趣旨から逸れるものだと思われます。

司法試験を5回受けて不合格となってしまった場合は、その時点では法律家としての適性や知識が不十分であったと考えられます。そのため、不合格となってしまった人は別の道を選択する場合も多くあります。
受験回数制限をあえて設けているのも、そのほうが受験生自身の経験を社会で有効に活かすことができ、社会全体にとっても、難関を乗り越えて法律家を目指そうという意欲と知性のある人材を採用し、活躍してほしいという思いがあります。

司法試験には、かつては受験回数制限がありませんでした。何度でも納得するまでチャレンジできたのですが、その結果、優秀だったはずの人々が社会人として就職することが困難になってしまったのです。他の道へ進むことができずに、司法試験の不合格が続いた結果人生を棒に振ってしまい、精神疾患に追い込まれてしまう人も珍しくなく、社会問題となっていました。

受験回数制限は、使い切らないほうがいい

司法試験受験生には、働いて収入を確保しながら、終業後や始業前、休日に集中して受験勉強をする「兼業」の人もいます。この場合、司法試験から撤退しても、その職場で働き続けられるでしょう。
「兼業」の方は、司法試験に投入できる時間や労力が制約される代わりに、お金の心配をする必要が無く、撤退したときのリスクを最小限に抑えられるメリットがあります。

一方で、司法試験の勉強のみに集中する、あるいはパートやアルバイトで最低限の収入を確保しながら受験準備に臨んできた「専業」の受験者は、司法試験不合格となってしまった後に就職活動をしなければならないでしょう。

5回の受験回数制限を使い切り、背水の陣で就職活動に臨むのも緊張感があって結構です。ただ、制限ギリギリよりも、3回~4回の受験で就職にも目を向けてみると、その心理的な余裕からいい結果が出やすくなるかもしれません。

また、回数制限を使い切った後、全て不合格となり追い込まれて仕方なく就職活動を始めるよりも、まだ受験の余地が残っている段階で、一度就職の道を考えてみるたり、実際に就職活動を始めることで、人事担当者に与えるイメージも良くなるかもしれません。
法律家の道に対する未練を、自ら前向きに断ち切り、新たなスタートを切るという前向きな気持ちの切り替えのアピールができるからです。

茨の道も、諦めなければ就職成功できる

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 司法試験浪人をした場合は、履歴書の「職歴」欄に、空白の期間が生じているはずです。ここを気にする人事担当者は、思いのほか多いものです。会社員であることが社会人の標準であるとの認識・常識のもとでは、学校の卒業後に、会社員でない期間が存在することが理解されないのです。
「社会人のキャリアは、もっと多様なはずだ」「理解すべきだ」と、正論を述べたところで徒労に終わることでしょう。大切なのは、理解がある人事担当者と運命の出会いを果たすまで、諦めずに粘って面接を繰り返すことです。

あなたが今まで歩んできた「司法試験受験」という道に、自信を持ちましょう。
確かに、社会人としての業務経験の少なさは弱点となり得ます。しかし、逆転の発想で、法律や判例に関する正確な知識、そして論理による応用力や、一般的な社会人とは比べものにならないほど高いクオリティのものを獲得しているという点は、あなたにとって強い武器となります。

一刻も早く職にありつきたいという思いを抑え、相手にとって「仕事仲間として歓迎したい人材」であることをアピールする姿勢を見せましょう。それは、司法試験の問題から「出題意図」を見抜いて解答するのと似ています。

司法試験に不合格となっても、大企業の法務部への就職を成功し、高収入を得て再出発するという"逆転者"もいます。法務部は企業にとって直接収益を挙げるセクションではないので、採用枠を抑えている企業もある一方で、昨今は企業法務の重要性が注目されていることから、法科大学院修了生や、司法試験受験経験のある人材の採用を積極的に行っている企業も増えつつあります。

法務部のスタッフに求められるのは、法律知識の豊富さもさることながら、それ以上に、その企業の利益に沿った考え方や行動を取れる人材であることが重要です。法律や裁判例のリサーチなどは外部の法律家に任せることが可能だとしても、利益相反などが原因で、クライアント企業の利益を完全には代弁できない場面がありえます。そうした場面でも法務部員なら企業利益を問題なく代弁できるため、重宝されることもあるでしょう。

また、逆転の例として挙げると、ベンチャー企業の法務担当者から、実力を買われてCFO(最高財務責任者)に就任し、異分野で活躍している人もいます。たとえ法律畑の出身だからといって、司法試験の挫折後までその経験を引きずってこだわりを見せると、就職活動には不利に作用するリスクがあります。
「不合格になってしまった」・「途中で諦めてしまった」という負の感情を引きずる必要はありません。気持ちを切り替えて社会人としてゼロから取り組んでいく覚悟を見せれば、より早く道は切り拓いていけるはずです。

まとめ

司法試験に不合格したからといって、絶望する必要はありません。その勉強で身につけてきた知識は、社会で必ず活かすことができます。
司法試験の挫折からの逆転劇はたくさんあります。あなたも先輩方に続いてください。

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